主治医から手術の詳細説明を受ける(入院初日 その2)【ガン闘病記】

手術の詳細を説明してもらう

ようやく先生が来た。

19:00を過ぎていた。

手術後でお疲れでしょうに、申し訳ない。

しかし、相変わらず目の充血がすごい。

 

今日は主治医から手術の詳細を説明してもらうということだった。

病室での説明ではなく、個室に移動した。

 

遅くなってしまって、大変申し訳ない・・・
早速ですが、話を始めます。

まず、腫瘍マーカーです。
これが上がっています。
1か月前に検査した際の値と比べて、3倍程度上がっています。

この場合、リンパ節への転移を考える必要があります。
リンパ節への転移を確認するために、MRI検査を追加します。

マジか・・・要は悪くなってるんですね・・・

 

手術の内容と肛門について

続いて、手術の方法について、説明します。

手術は腹腔鏡下の超低位前方切除術という方法になります。
または内括約筋切除術という方法を考えています。

超低位前方切除術は簡単に説明しますと、直腸の腫瘍のある部分とその周囲を切除して、切除後に結腸と縫合する方法です。

内括約筋切除術は肛門にある筋肉のうち内括約筋を切除して、肛門を残す方法になります。
腫瘍があまりに肛門に近い場合はこちらになります。

どちらにしても、腫瘍を取り切ってもらえればいいかな・・・

正直、ここは主治医の判断に任せるしかないので、方法だけ理解した。

 

腫瘍を切除する際、周囲のリンパ節も含めて切除して、小腸に人工肛門を造設します。
これは一時的な人工肛門になります。

腫瘍が肛門に近く、肛門を残せないと判断した場合は、肛門ごと切除することも考えています。

肛門が残せない場合は大腸側に人工肛門を造設します。
この人工肛門は永久的な人工肛門になります。

ここも手術してみないと結果がわからない部分だな。

どちらになることも覚悟しておかなければならない。

 

現時点では肛門を残せると考えています。
まだ若いですし、できるだけ残したいと考えています。

しかし、優先順位としては、病気を治すことが最優先。
次に身体の機能を残すこととなります。

肛門付近の神経も可能な限り残す方向で手術をします。
排泄や排尿機能、性機能もできる限り残す予定です。

ただし、これも転移の状況によっては神経も含めて切除する判断もあり得ます。

できる限り良い方向で手術を考えてくれている。

仮にどれか残せない判断があったとしても、仕方ない。

主治医を信じよう。

 

さきほどお話しした、腫瘍マーカーの値から、リンパ節への転移の可能性を考えると、予防的に側方のリンパ節も切除したほうが良いと考えています。
これは目に見えない微細なガン細胞の取り残しを防ぐためです。

再発、転移を防ぐためなら、やるしかないでしょう。

 

手術を行うにあたっての危険性と合併症について説明します。

まずは出血について。
手術中の出血については輸血で対応します。

ただ、腹腔鏡下での手術では輸血が必要になることはほとんどありません。
とはいえ、手術はやってみないとわからない場合もありますので、説明させていただきました。

これは、まあそうですよね。

血液が不足したら輸血する。

そのままですね。

 

後遺症について

次に、排泄・排尿機能の低下について説明します。

肛門括約筋を半分程度切除するので、後々人工肛門を閉鎖した後(腸を元通り繋ぎなおした後)、肛門の機能が低下する可能性が考えられます。

若い人は肛門機能が低下しても、改善が期待できるので、大丈夫かと思います。

人工肛門になった際も、肛門を締める練習を続けていただきたいです。

ここは結構不安だ。

頻便になったり、トイレに間に合わない状態になったり・・・

主治医を信じて、肛門を締める練習をひたすらやるしかないか・・・

 

次は性機能の低下。

これも神経をきっちり残すように手術は行います。
現移転では神経に影響を与えるようなところまで、リンパ節は腫れていないとみているので、残せる予定です。

先日、精子凍結をやったから一応保険をかけてはいるけど、できれば障害がない方向で、上手くいくといいなぁ・・・

 

あとは予測ができない合併症があります。

急性心筋梗塞や脳梗塞、静脈血栓塞栓症などが可能性として考えられます。

これは手術やってみるしかないことだ。

起きちゃったときは、主治医に任せるしかない。

 

手術のあとのことについて

手術後は身体にいくつか管が着いた状態になります。

管は全部で5本あります。
ドレーンと尿管カテーテル、硬膜外麻酔、肛門部の管、あとは点滴です。

ドレーンはおなかの中の状態を監視するために着けます。
出血やおなかの中に腸液などの漏れがないかを監視します。

肛門部の管は肛門部の縫合箇所を安静にするために着けます。

これらの管は手術後に大きな問題がなければ、徐々に外していきます。

なんだかたくさん管が着くんだなぁ・・・

管に関して、不安になったので、質問してみることにした。

 

ドレーンやカテーテルは着けていて痛くないですか?

着けているときに多少の違和感はあるかもしれません。
抜くときも違和感を感じると思います。

痛みという意味では、手術による創に関してはへその部分は痛みを感じるかもしれません。へそは敏感な箇所なので。

麻酔は全身麻酔になります。なので、手術中は眠った状態です。
手術後の痛み緩和のために、硬膜外麻酔を実施します。
詳細については、麻酔科の先生から別途説明があります。

できる限り痛みを抑えた形にはなるみたいだ。

ドレーンやカテーテルはちょっと不安だが、やってみるしかない。

 

腹腔鏡で手術する際、状況によっては手術中に開腹手術に切り替える場合もあります。
例えば、出血が酷いとか、腫瘍の場所が想定より悪いとか。

私の経験だと、1~2%程度の割合で、手術中に開腹手術に切り替えることがあります。

これも主治医にお任せするしかないなぁ・・・

 

話のなかで、主治医の手術件数の話が出てきた。2000件以上やっているらしい。

今まで本やインターネットで調べた中でも多いほうだと思う。

 

人当たりは良いし、説明も丁寧で親身に話を聞いてくれる。

良い先生に出会えたと思った。

我ながら人との縁は強運を持っていると思う。

  

入院初日の夜

主治医からの説明が終わった。

既に20:00を過ぎていた。

 

妻も帰り、入院初日の夜を迎えた。

手術まであと3日。

手術前の検査とかはあるけど、何して過ごそう。

暇を持て余すと余計な事を考えて不安になりそうだ。

 

病室は4人部屋。

自分以外にご年配の男性が3人。

特に会話するわけではないが、会釈くらいはする。

 

しかし、3人ともいびきがトンデモナイ。

特に隣の人。

多分毎日続くよね。

うるさくてなかなか寝られないが仕方ない、眠くなったら寝よう・・・

 

【続く】

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