腫瘍の病理検査結果を聞きにいく【ガン闘病記】

クリニックに行くまでの時間

前回の診察から約1週間後。

病理検査の結果を聞く日がきた。

病理検査の結果によって、腫瘍が「ガン」かどうか判断される日だ。

 

診察は夜の予定だった。

今日の最後の診察で予約されている。

特別な準備はないので、昼間は通常通り会社へ出社して仕事をする。

しかし、余り集中できない。

なんだかソワソワしてしまう。

 

午前中、妻から連絡があった。

会社を休んだみたいだ。

体調が優れないらしい。

病理検査の結果が不安なのだろう。

自分も同じだ。

どことなく緊張している。

 

私は午後に休みをもらい、家に帰ることにした。

妻のことも心配だったので。

 

帰ると妻は寝ていた。

具合や話を聞くと、やはり不安らしい。

以前から精神状態が体調に出やすい人だから、緊張が影響しているのだろう。

 

私はクリニックまでの間、時間のある限り、ガンのことについて調べた。

  • どんな病気なのか。
  • どんな治療をするのか。
  • 後遺症とかはあるのか。
  • どのくらい治療期間が必要なのか。   ・・・etc

いろいろ調べた。

何かしていないと不安だった。

 

他にも、診察時に先生に確認したいことについて、リストにしておいた。

聞きそびれるのも嫌だったし、気が動転したりして聞けなくなってしまうかもしれないから。

 

私の父は直腸ガンだった。

そのため、ある程度どうなるのかはわかっていたつもりだったが、改めて調べてみると知らないことがたくさんある。

調べるにつれて、実感もわいてきて、また少し怖くなった。

 

さて、そろそろクリニックに行く時間だ。

今日は母親にも来てもらっている。

駅に母を迎えに行ってから、クリニックへ向かう。

 

クリニックにて・・・病理検査結果を聞く

クリニックには他の患者さんは誰もいない。

受付を済ませると看護師さんが診察室へ案内してくれる。

さて、いよいよだ。

気を強く持とう。

 

診察が始まって、いの一番で病理検査結果の説明に入った。

まず、結果だけで言うと、ガンで間違いありません。

一瞬、頭の中が真っ白になった。

思考がまとまらない。

ぐるぐるしている。

 

先生の話を聞きながら、ふと横目で妻や母のほうを見てみる。

妻は泣いている。

母はハンカチを片手にうつむいている。

自分よりもショックが大きそうだ。

 

自分がしっかりしなければ。

そう思ったら、落ち着いてきた。

心の準備だけはしてきたつもりなので、意外とすぐに冷静さを取り戻せた。

 

私の腫瘍はグループで分けると5に当たるらしい。

グループの分け方は以下の通りらしい。

  • グループ1・・・正常な組織、あるいは軽度の炎症
  • グループ2・・・組織に変異は見られるが、腫瘍かどうかははっきりしない
  • グループ3・・・良性の腫瘍 ガンに進展する場合もある。
  • グループ4・・・ガンが疑わしいが、ガンかどうかはっきりしない
  • グループ5・・・ガン

なので、グループ5に分類された私はガンということになった。

 

直腸の肛門付近に腫瘍があるということなので、

病名としては直腸ガンになる。

 

ガンとわかったときに次に心配になるのは転移がないかどうか。

命に関わるケースは、見つかった時にかなり進行している場合が多い。

例えば、大腸ガンからは肺や肝臓に転移しやすい。

そう説明された。

 

他の臓器への転移はあるか?

転移についてはCTスキャンの結果からわかる。

大腸内視鏡検査の日にCTスキャンも実施しておいたので、その結果を見る。

 

放射線科の専門家に画像を見てもらった結果、転移はなさそうだ、ということ。

 

私、妻、母が同時にホッと胸をなでおろす。

「あぁ、良かった・・・」と。

 

次は腫瘍マーカー。

ガンがあると値が上がる検査。

もちろん値は上がっていないほうが良いが・・・

 

結果は・・・少し上がっている。

基準値より少し高い数値だが、これは今見つかっている腫瘍による影響だろう。

他の箇所に転移があると極端に増加する。

なので、転移の可能性は低い、とのこと。

 

ステージは?リンパ節への転移は?

先生は説明を続ける。

 

ガンは大きさよりも、深さが大事。

別な箇所に転移があった場合はステージが最も悪くなるが、ない場合はガンの深さでステージが決まる。

腸の場合は

  • 粘膜
  • 粘膜下層
  • 固有筋層(こゆうきんそう)
  • 鞘膜下層(しょうまくかそう)
  • 鞘膜(しょうまく)

の5つの層でできていて、ガンがどの層まで到達しているかでステージが変わるらしい。

しかし、深さに関しては腫瘍を切除してみないとわからない。

 

また、ガンの治療は腫瘍を切除するだけではダメ。

リンパ節の郭清も必要。

これは再発のリスクを少しでも下げるため。

手術の際にリンパ節も一緒に切除して、検査する。

これで、リンパ節への転移がないか確認する。

 

CTスキャンの画像上ではリンパ節への転移はなさそうだが、確定するにはリンパ節を取って検査するしかないらしい。

粘膜と粘膜下層まででガンがとどまっていて、リンパ節への転移がない場合は早期ガンと判断される。

先生の予測では、早期ではないだろうとのこと。

あくまで予測だが・・・

 

事前に聞こうと思っていたことを聞いてみる

「何かご質問はありますか?」

ということだったので、事前に考えてきた質問を聞いてみることにした。

内容によっては答えられない場合もあるらしい。

主に、具体的な治療方法については答えられないとのこと。

治療方法を決める立場ではないのでということらしい。

ガンの位置について

直腸ガンの場所はどの辺りでしょうか?
肛門からどのくらいでしょうか?

だいたい2㎝くらいですね。
これは結構ギリギリの位置。
肛門から近すぎると、肛門と一緒にガンを取り除く手術になる場合があります。
そうなると永久に人工肛門になります。
人工肛門が永久になるか一時的になるかは先生の腕や手術方法にもよります。

ガンができた時期について

いつごろできたものかわかりますか?

自覚症状が出る1~2か月前くらいだと思われますが、正直なところ分かりません。
分かったところで、時間を戻すことはできませんので、気持ちを切り替えましょう。

治療に伴う通院頻度について

治療に伴う通院頻度はどのくらいになるでしょうか?

治療方法にもよりますが、一般的には手術や抗がん剤で治療した後、5年間は定期的に通院が発生します。
退院後すぐは週に1回通院とかで、落ち着いてきたら2週間に1回とか、1か月に1回とかになっていくでしょう。

 

ここまでで、自分がガンになったこと、ガンは直腸にあること、人工肛門になる可能性があることなどがわかってきた。

 

【続く】

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